本を読んでも頭に入らない、頭がぼーっとしてやる気が出ない、そんな症状が続いていたら、もしかしたら油が原因かもしれません。私は子供の鬱、不登校の経験から家族の食生活の改善を始めました。
まず1番に取り組んだのは調味料の改善。油、砂糖、塩、醤油、味噌、みりん、酒。
日本人が世界に誇るべき理想的な食文化を作り上げてきた調味料がいつの間にか安く大量生産できる偽物にすり替わっています。毎日使うものだから、一番にこだわりたいのが本物の調味料です。
あなたとご家族の心と体は毎日の食べ物で出来ています。
「医食同源」心と体の不調は良質な食品の摂取により大幅な改善が期待できます。
油:悪い油は心身に悪影響を及ぼします
日本人は歴史的にほとんど油を摂取しない民族でした。そのため、欧米人に比べて内臓脂肪がつきやすく、そもそも油の摂取は控えるべきであるということをまずは認識してください。
一般的に安く売られている「植物油」は遺伝子組み換え作物を主原料としています。遺伝子組み換え植物が人体に及ぼす影響はまだはっきりとは分かっていませんが、遺伝子組み換えと農薬はセットで開発されており、除草剤や殺虫剤に強い品種に改良された遺伝子組み換え作物が大量の農薬を浴びて育っていることは間違いありません。
さらにそうした安い植物油は昔ながらの「圧搾法」ではなく「ヘキサン」という石油系溶剤を用いた抽出法によって効率良く抽出され、「トランス脂肪酸」という非常に有害な物質を含んでいます。
2018年6月、米国食品医薬品局(FDA)は、トランス脂肪酸を含む部分水素添加油脂の食品使用について原則禁止に踏み切りました。
それにも関わらず日本ではなんの規制も表示義務もないのが現状です。何の情報もなく「トランス脂肪酸」を知らずに摂取し続ける今の日本の食事情は由々しき事態です。
特にマーガリンやショートニング、ファットスプレッドなどには大量のトランス脂肪酸が含まれているので原材料表示にこれらの記載があるものは選ばないようにしましょう。
加工食品やスナック菓子、安い外食のフライドポテトや揚げ物など質の悪い油で製造された食品を取り続けることには確実に以下のようなリスクを抱えています。
トランス脂肪酸のリスク:心臓疾患、ガン、糖尿病、脳梗塞、脳卒中、認知症、うつ、子供の発達障害など
脂質は人体の細胞膜の重要な構成要素のため、劣化した油を摂取することにより上記のような健康被害が起こります。さらに脳は水分を除いて65%が脂質で出来ていると言われており、油の摂取は体にも心にもダイレクトに影響を及ぼします。
良い油は心と体に良い影響を及ぼします
安心なのは昔から日本人が利用してきた圧搾法で抽出された国産の「菜種油」か「ごま油」または「米油」です。様々な健康効果が話題の「エキストラバージンオリーブオイル」も安価なものは偽物なので酸化を防ぐ濃い色のガラス瓶に入った良質なものを選びましょう。
いずれも大量に摂取するものではないので品質の良いものを少量使う、酸化する前に使い切れる量を購入することを心がけましょう。
青魚や胡麻、くるみなどのナッツ類にも良質な油が含まれます。積極的に食事に取り入れましょう。
三白さんぱくの害・白い調味料は危険です
「三白の害」とは、白い食べ物は毒になることを指した言葉です。「精白米(精白小麦粉も)・白砂糖・精製塩」を指します。
精白米は玄米の栄養豊富な糠と胚芽を取り除いた「粕」であり、日常的に精白米を食べていると本来玄米に含まれているビタミン、ミネラル、食物繊維が摂取できない上に、分解吸収が早いので食後の血糖値を急激に上げ、中性脂肪に変わりやすくなるのです。
玄米が苦手な方は、「酵素玄米」または「雑穀米」にして頂くことで美味しく栄養バランスの取れた主食を取ることが出来るので是非お試しください。
白砂糖はいますぐ捨てた方がいいほど「百害あって一利なしの毒物」です。
白砂糖は黒砂糖を酸性の強い薬品で漂白し、アルカリ性の薬品で中和したものです。(三温糖は色は茶色ですが白砂糖に色をつけたものなので精白糖と同じです。)
ミネラルなどの栄養素が削ぎ落とされている為、血管に素早く吸収されて血糖値を急激に上げ、取りすぎると血液を酸性に傾けるため、体内のカルシウムが不足し、イライラしたり、高血糖または逆に低血糖症などになる危険があります。
砂糖の摂取を完全にやめると体内が浄化されあらゆる症状が改善されるとの症例もあり、いかに砂糖が体にとって毒であるかがわかります。
いつか挑戦しようと思いながらも砂糖を完全に断つことは難しいので、私は昔ながらの製法で作られ精製されていない「黒砂糖」や「古式原糖」、「てんさい糖」、「てん菜オリゴ糖」、「国産純粋蜂蜜」を控えめな分量にして使用しています。優しい甘みで料理にコクが出るので少量でも満足感がえられます。
「古式原糖」は顆粒も細かく黒砂糖のようなクセがないのでお菓子作りにもおすすめです。
三つ目の害は精製塩、塩はとても大切なので次の章で詳しくお話しします。
命の母、海の塩
減塩こそが健康習慣というのが常識となっていますが、「マクロビオティック」では塩の摂取をとても大切に考えます。
私たち哺乳類の祖先はかつて海の中に住み、その名残りとして血中塩分濃度が海水と同程度であるという話は聞いたことのある方も多いでしょう。
母なる海の塩、その塩に含まれるミネラルは人間の体になくてはならないものです。このミネラルを大量に含む自然塩は減塩とは無縁、むしろ積極的に取るべきものなのです。
自然塩は主に海水を自然乾燥や平釜で煮詰め、濃縮を重ねて作る昔ながらの製法のもので、粒子がバラバラだったりしっとりしていたりします。自然塩は甘みや旨味が感じられまろやかな塩味です。これは自然塩の中に塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウムなどのミネラル分を含んでいるからです。
自然塩に含まれるミネラルは老化を防ぎ、体内に蓄積した重金属の排出を促し、血液をきれいにして糖尿病のリスクを減らす効果が期待できます。
対して現代主流となっている精製塩は、原塩(主に輸入塩)を溶解し精製したもの、または海水からイオン交換膜透析法で塩の成分を濃縮する、塩化ナトリウム99%以上のもので、これらはサラサラなのが特徴です。精製塩は雑味がなく塩辛く感じます。近代になって大量生産、大量消費され始めたミネラルのない精製塩の取りすぎが高血圧の原因となっていることが減塩迷信の始まりです。
今まで精製塩と自然塩を意識していなかった方は、ぜひ今すぐに台所の塩を改善しましょう!
海のミネラルたっぷりの自然塩を十分に摂取することで体が温まり、体の不調が改善することが期待できます。
マクロビオティック macrobiotics 陰陽の原理を取り入れた自然食中心の食生活に基づく長寿法。自然との調和を食の観点から捉え,陰陽に基づくバランスを重視し,その土地の旬の穀物や野菜を主食材とする食事法により心身の健康をめざす。マクロビオティックス。〔「大いなる生命」という意味のギリシャ語が語源〕
本物の発酵調味料の選び方
醤油、味噌:国産の天然醸造、無添加のものを選びましょう。
三年以上仕込んだものには細胞の働きを活性化する効用があるので特におすすめです。
安いものは時間をかけずに大量生産するために様々な添加物で旨みを加えて味付けをした偽物です。
減塩と書かれていると体に良さそうと思いがちですが、塩分を少なくしても腐敗しないように合成保存料などが添加されています。決して選ばないでください。
みりん:「みりん」と「みりん風調味料」のあるのをご存知ですか?必ず原材料表示を見て「国産のもち米、米麹」で作られているものを選びましょう。
酒:安いものには様々な添加物が含まれており、本来あるべき「百薬の長」の効用のない「酒」もあります。料理酒にも「米と米麹」だけで作られた「純米酒」を選びましょう。
まとめ。
日本は農薬使用量も添加物の規制も大変ゆるく、実はそれによって多くの国民が生活習慣病を患っています。国民皆保険の恩恵で、手厚い医療が格安で受けられるため、日常的に通院して大量の薬を飲んでいることに何の抵抗もない人が大勢いらっしゃいます。
でも、その医療費、薬代は皆私たちの税金から支払われており、生活習慣病の原因となっている農薬や添加物を作っているのと同じ外資の製薬会社がその治療費としてとんでもない利益を得ている構造に目を向けて欲しいのです。
国民が毎日の食生活を見直し、昔ながらの製法で作られた健康な調味料、食材を選ぶことが、それを守る生産者を応援し、日本人の健康と食文化を守ることに繋がります。